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PERK 2nd Anniversary Talk 前編

こんにちは、PERK SHOPです!

早いものでPERK SHOPは、 2023年の8月24日をもって2周年を迎えます。ひとえに、いつもご来店くださるお客様はじめ、当店に関わる全ての皆さまのおかげです。

今回は改めて自分たちで一度振り返ってみようと、私たち2人とデザイナーのJAROSさん、当店のスタッフでもありクリエイターのKAWADAHOさんにご協力いただき、トーク形式でお届けします。

前編はPERK SHOPのこれまでのことやお店作りの話、後編はPERKに関わるゲスト2人の作品や、ギャラリーについてなどをまとめています。ぜひ最後までお読みいただければ幸いです。


八田祐樹/代表・一級建築士。山嵜雅雄建築研究室を経て、2013年hattadesign 設立。2016年 HATTADESIGN INC. 設立。2021年錦糸町に事務所を移転、PERK SHOPをオープンする。

八田春菜/PERK SHOP店長。観葉植物店やコーヒーショップで知識や経験を深め、ギャラリーの企画など店舗の運営全般を担当する。

影山ジャロ(JAROS)/イラストやグラフィックデザインを中心に. 商業施設や音楽フェスなどのイベントビジュアルやブランドのロゴ、雑誌イラストなどを手がける。

カワダアユミ(KAWADAHO)/ぬいぐるみ作りからNFTアート、アナログ・デジタル問わず手を出す謎のクリエイターとしてゆるりと活動中。


八田 春菜(以下HARU)
JAROSさん、カワダさん、今日は座談会形式ということでお忙しい中ありがとうございます!
PERK SHOPについてぜひ私たちと一緒に色々お話しできたらと思ってます。

JAROS
もう、2年なんだなあ。つい最近PERKのロゴを作ったばかりな気がするわ。2年経ってみてふたりはどう?

八田 祐樹(以下HATTA)
すごくあっという間ですね。コロナ禍でのオープンで最初はどうなるか不安もありましたが、開店からずっと通って頂いてるお客さんや、インスタとかを見て遊びに来てくださる方もいたり、駅から少し離れた場所ですが本当にありがたいです。

HARU
植物やコーヒーを通して実際にお客さん同士でも自然と会話が広がっていたりして、皆が楽しそうにコミニュケーションしているのを見ると、思い描いた空間が実現しているのを感じて本当に嬉しいです。

KAWADAHO
ハルさんは植物屋さんやコーヒー屋さんで働いてたのを以前にも少し聞きましたが、結構PERKがオープンするまでも長い準備期間があったんですよね?

HARU
そうですね。私は元々はアパレルやWEBデザインの仕事をしていて、何か好きなことをしてずっと働いていけたら良いなと思っていて。それから八田さんと出会って、「街に開いた建築事務所を構えて、自分たちのお店も一緒作りたい」という夢を聞いてその目標のために8年位前から少しずつ一緒に動き始めました。

HATTA
最初は植物やコーヒーとかも決めていたわけではなかったのですが、まず僕は住宅を作る仕事なので、建築設計事務所にもっと街の人たちが気軽に来れて相談したり会話したりする場をずっと作りたいと思っていました。

KAWADAHO
確かにPERKがなかったら建築事務所にはなかなか行く機会がなかったかもです。

HARU
当時私は建築のことは全然わからなかったのですが、少し建物のことを教えてもらったらいつもの街を歩いていても楽しいと思うことが増えたり、気づいたら面白いことがある場所は実は建築が素敵だったりすることに気づいたり、同じ景色でも新しい見え方があるというか。

私みたいな建築にあまり興味なかった人にも、ちょっと面白さを感じてもらえる場が一緒に作れたらいいなと思いました。

HATTA
設計事務所にも気軽に入れる感じで、自分たちの好きなことで何のお店を作ろうか考えたときに、2人の共通の趣味で植物を育てたりグリーンショップを巡ったりしていたのもあって、空間と一緒に提案できる植物のお店が良さそうだなと。

絵とかもですけど植物を飾ることは、自分の住まいや暮らしをちょっと豊かにするひとつですよね。

KAWADAHO
空間に植物があるとすごくいいですよね。私もPERKで買ったアロエやゴムの木を飾っています。
じゃあ一番最初に植物から準備を始めた感じなんですか?

HARU
植物からですね。というか最初はコーヒーまで自分達で全部やれると正直思ってなかったのですが、どんどんハマってどちらも本気で勉強しました。

あと影響を受けた経験のひとつで、以前ハワイに結婚式で行った時に、実際にお花屋さんとカフェが一緒になっている素敵な空間があって。

開放的でお花も気軽に選べたり、コーヒーも町の人たちの生活の一部になっている感じがしてコーヒーも美味しくとても感動したんです。それで元々好きだったコーヒーもお店でできたら良さそうだなとイメージが膨らみました。

JAROS
ハワイの話は初めて聞いたかも!それから働きはじめた植物のお店に俺も遊びに行ったよね。

HARU
そうそう、遊びに来てくれて嬉しかった!

サプライズで届いたハワイのお花屋さんのフラワーアレンジブック

ハワイでの体験は、未経験の仕事にチャレンジする決断をする時にもすごく勇気をもらいました。ハワイのお花屋さんとその時に交流して、日本でも再会したりしたんです。

それから数年は植物屋さんやお花屋さんで働いたのですが、植物屋さんは男性オーナーがサボテンやアガベなどカッコいい植栽やインドアグリーンを提案するお店で。本当にその期間は植物の管理や接客なども勉強になりました。

そういう経験もあって、女性目線の可愛らしい印象の植物から、男性にも好まれるようなちょっとゴツめのものとかトゲのある植物や鉢もセレクトしています。

KAWADAHO
PERKはカフェだけど、働いていて男性のお客さんも結構多く感じます。今私のほかに2人いるスタッフも男の子で元々お客さんで。きっと空間の雰囲気やカッコいい植物が並んでいるのもあるんですね。

HARU
お店をオープンするまではしばらくコーヒーショップでPOPUPなどの活動をしていたんですが、その時に植物とコーヒーは世代や性別問わず楽しめるのがやっぱりいいなと思いました。それから本格的にコーヒーも学びはじめて。

ちなみにその活動をしていた場所が、ずっとお世話になっているCHANOKO COFFEE さんとGRANARYS COFFEEさんです。

2019年 北千住でのPOPUP SHOP
2019年 北千住でのPOPUP SHOP

JAROS
そういうご縁とか繋がりって本当に大事だよね。

HARU
本当に色々な方の支えがあってお店ができています。植物の仕入れに関しては生産農家さんや市場にお世話になっていて、農家さんのハウスや作業風景も実際に色々見せていただいたりしているからこそ、私たちはお客さまに届ける立場としてセレクトにもこだわり、接客するときも大切に魅力を伝えたいと思っています。

観葉植物農家さんの圧巻のエバーフレッシュ。

人気のフィカス・ウンベラータ。全て生産者さんの手で曲げられています。

KAWADAHO
私もインスタでオープンを知ってはじめてPERKに行ったんですが、面白い植物が色々あって思ったより手頃で、何回か植物や鉢を買わせてもらいました!

接客してもらってまた行った時に覚えていてくれたのも嬉しかったです。距離感もいい意味で近いというか、なんかフランクな感じで。

HARU
ありがとう〜。毎回いつも全部覚えているわけではないけれど、植物を見に来てくれた方にはなるべくお声かけしているので、そこから色々具体的に相談頂いたり沢山お話ししていると自然と覚えていたりもします。

あとカワダさんの場合は、取り寄せ注文の控えのメモにイラストを描いてたのが印象的だったのですぐ覚えました。(笑)

KAWADAHO 
懐かしい〜。ハンギングポットを描きましたね。落書きしてよかったです(笑)

繋がりが生まれる空間

KAWADAHO
私は住んでるのが近いエリアで、蔵前とか浅草とか結構色んなお店を巡っていて。最初はそれこそインスタでPERKを知って、行ってみたいお店のひとつみたいな感じだったんです。ハルさん達は元々この辺りのエリアで物件を探していたんですか?

HARU
墨田区でやりたいという思いは前からあって。私は元々下町生まれでこの辺りには好きなお店があったり、緑や公園も比較的多いのも良いなぁと。引越してきてからも住みやすくて気に入ってます。

HATTA
いろいろ自分達でも探しましたが、最終的にこの物件とは良いご縁で繋いでいただいて即決でした。ただ、錦糸町って最初は昔のイメージもあるし当初はどうなるか少し気になりましたが、結果的にここを選んで本当良かったと思います。

HARU
ご近所のお客さんも下町人情というか優しい方が多いです。思った以上にクリエイティブな方も多かったり。カワダさんもオープン当初に何回か遊びに来てくれたんだよね。それからJAROSさんの個展が初出勤だったんだっけ?

KAWADAHO
はい!あのときはPERKでのイベントも初開催だったと思うんですが、お客さんとしてインスタを見て楽しみにしていて、そしたらちょうどハルさんがストーリーでお手伝いの募集をかけていて。個展初日にお手伝いに行ったんですが、すごい雨だったんですよね。

HARU
そうそう、初めてのイベントというのもあってどうなるかわからなかったからお手伝いの募集もかけてみたりして。でも大雨でコロナ禍の影響もあったんだよね。

JAROS
そうだね〜。でも友達とかが来てくれて、皆んなでレコードかけたりゆるい感じで楽しかったよね。

KAWADAHO 
はい!私はもうバイト初日から急に陰キャがお洒落なパーティーに混ざってしまった感じで(笑)挙動不審だったかもですが、皆さんいい人で楽しかったです。

JAROS
全然陰キャじゃなかったよ(笑)まぁ知らない人のイベントに行くとさ、確かに立ち回りが難しかったりするよね。

KAWADAHO
そうなんですよね。でもPERKのイベントとかは本当にカルチャーの人たちだけってより、近所の人たちとか本当に気軽に来れる、開かれた感じになってるなって思います。

HARU
自分たちのお店ではすごく狭いコミニュティとか内輪ノリな感じになるべくしたくないっていうのは最初から意識していて。色々な価値観や知識をできるだけ共有して面白い場所にしたいなぁと。

HATTA
初回の個展がJAROSさんだったのも人柄も柔らかくて皆馴染みやすかったと思うし、絵本の中みたいなキャラクターの展示がお子さん連れの方にも一緒に楽しんでもらえたと思います。

JAROS
俺は、画廊みたいな閉鎖的な空間というよりは、カフェとか他の要素がある空間に飾ってほしい方なんだよね。PERKは植物もあるから、そこからイメージして作品も作ったりできるから面白いし。

前の個展の時は、天井からぶら下がっている植物たちをみて、作品も吊そう!と思ったんだよね。

KAWADAHO
作品が本当に自然に溶け込んでいました。

HARU
JAROSさんに一回目の個展をやってもらったおかげで本当にその後のイメージが少し見えてきました。あと、そのときにイラストレーターの藤原琴美ちゃんが展示を見に来てくれて次にやりたいですと声をかけてくれたり。

自然に輪が広がっていく感じが本当嬉しかったです。

ロンTも、たまたま居合わせたPERKのお客さん同士がモデルさんとカメラマンさんとして協力してくれて、素敵な写真も撮ることができました。

JAROS
あ〜!そうそう、ちゃんとこういうモデルさんが着てる素敵な写真があると全然違って見えるから。本当にあの時は嬉しかったなぁ。

HARU
こういう偶然で生まれるものや出会いの瞬間が多々あって、本当に自分達でも面白い場所だなと思います。

KAWADAHO
あとJAROSさんの展示だと、この飾り方とか今見ると改めて構成もすごく綺麗ですね!

JAROS
ありがとう!

それでいうと、PERKは白い壁っていうのがいいよね。カフェ的なところのスペースだと、ウッドな感じだったりとか、意外に広さのある白い壁があんまりないイメージが。PERKは空間がある意味フラットで、抜け感がギャラリーに近いのかも。

“古いもの”と”新しいもの”のバランス

JAROS
お店作るときとかは空間の参考とか具体的にこういう形にしたいっていうのはあったんですか?

HATTA
物件を探しているときにイメージはありましたね。こういう感じの店にしたいな、とか。でもやっぱその見つかる物件によって変わっちゃうじゃないですか。ここが見つかった時とか、もう僕の予想を超えた物件だったんですよ。

KAWADAHO
おお〜そうだったんですね。

HATTA
それまで考えてたことはもうできないなって思いました。でもここが決まってからは逆に何ができるかなと。

あとやっぱリアルなところだと予算もあるわけで。それも考えながら、ここは絶対にやりたいとか擦り合わせて考えていきましたね。

あとはこの物件が元板金塗装工場っていうのも面白いし、ポテンシャルも高かったので、ガラっとこの空間を変えるというよりはなるべく残して活かしたいと思いました。

KAWADAHO
確かに、後ろの壁とか工場の注意書きもそのままにしていますね。

HATTA
古いものと新しいものの対比はさせて綺麗にはするんですけど、なるべく空間としてこう、くっきりさせ過ぎずに調和させるような。そういうところは意識していました。

JAROS
今更だけど、この階段も元々あったやつなんですか?

HATTA
そう、これも最初からあって。2階の改装は普段の設計業務もあるので最初手を加える余裕がなかったのですが、お客さんが上がれるようにはしておこうと。そうなるとカウンターの位置や通路も決まってきて、事務所スペースもある程度確保したかったので、この配置に決まりました。

JAROS
なるほど。八田さんの一番のこだわりはどこですか?やっぱりカウンター??

HATTA
そうですね。カウンターは人研ぎのテラゾーを使用しています。最近では技術を持つ職人さんが減ってきていたりしますが、これは職人さん達に現場で研いでもらいました。

KAWADAHO
一枚板みたいな感じなんですね!

HATTA
昔の銀行とかでよく使われていた素材で、現場で施工するもの以外にも工場で生産されるものもありますね。

現場テラゾーはこのカウンターみたいに形も自由にデザインできたりします。

JAROS
へぇ〜。テクスチャー的にも面白いなぁ。

HARU
カウンターは植物の作業スペースも広く、コーヒーとのスペースがちゃんと分かれていて清潔感もあり、収納も沢山あるので私もお気に入りです!

HATTA
あとは全体的に店舗と設計事務所がシームレスにつながるように設計しています。

カウンター・テーブル・建具框の高さを既存サッシの高さに合うように調整をして、親水公園まで見渡せて広がりがある空間になるようにしました。入り口の扉も街に繋がるようイメージして大きな開口部を設けています。

HARU
扉が全部開けられるとやっぱり開放的で、お客さんたちからも好評ですね。

KAWADAHO
確かにこの机とカウンターとか高さが揃っているのとかも公園まで抜けが出るんですね。

そういえば、あの回ってるやつ(シーリングファン)は最近ですか?

HATTA
あれは最近つけましたね。つけたら結構すぐ馴染みました。(笑)

JAROS
へぇ〜いいですね。ああいう無骨のやつがあるんですね。ステンレスっていうか、アルミなのか、シンプルでかっこいい。

HATTA
素材は鉄ですね。あと最近は少しづつですが家具の制作もしています。

HARU
その黒いテーブルはもうひとつあったけど、気に入ってくれたお客様がいて販売したんだよね。

KAWADAHO
これは全部木なんですか?

HATTA
天板はリノリウムという自然素材の建材ですね。

JAROS
形も可愛いし独特な温かみがあるというか、マットな質感もいいね。

KAWADAHO
お店も徐々にオリジナルの家具が増えたり、アップデートしてる感じなんですね!

HARU
うんうん。アップデートでいうと、この1年の中で2階も使うようになったのが大きいかも。

昨年12月にカワダさんにギャラリーとして初めて展示していただきました。展示してみてどうでしたか?

KAWADAHO
1階と2階の顔が全然違ったので、面白かったですね。2階では電気とかも消してスポット照明だけにもしてみたり、怪しい感じが出て。秘密基地みたいで展示空間も楽しいと来場してくれた方々も言ってくれたのが良かったです。

展示前に八田さんが作った什器が並んだのも印象に残ってます。

HARU
ありがとうございます。カワダさんの展示では会期中に新作がどんどん追加されていてお客さんと一緒にワクワクしたり、2階に巨大なぬいぐるみのフォトスポットが展示されたりとてもユニークでしたね。

私も最初にこの物件を見た時に2階は秘密基地みたいでわくわくしたので嬉しいです。
ただ本当に古い工場なので夏場は暑くて使えないのが残念ですが..笑。

HATTA
什器もベンチとしてやディスプレイに使えたり動かせたりするので、2階も展示の度にレイアウトが変わったり作家さんの世界観を空間いっぱいに使えるので、展示する方も見に来る方も楽しんでいただけるかと思います。

ここまで前編をお読みいただき、ありがとうございました。

JAROSさんKAWADAHOさんのPERKに関わる作品についての詳しいお話や、ギャラリー運営の話など後編に続きます〜!


対談撮影 Kazuno
写真協力 幸竜園※ 一般販売には対応していませんのでご注意ください。

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