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3周年企画【PERK SHOPのはじまり】前編

こんにちは、PERK SHOPのハルです。

この度2024年8月24日に、PERK SHOPは3周年を迎えます。
これもひとえに、ご利用いただきました皆様の支えがあったからこそと深く感謝しております。
いつもご愛顧いただき、誠にありがとうございます。

昨年に続き、今年もPERKの3年目の出来事をゲストと座談会形式でお話する予定だったのですが、急きょ予定を変更してPERK SHOPのオープンした頃のことを私の方で振り返り記事に書いてみることにしました。
あまり気負いせずブログのように3年前のことを写真を見ながら思い出して書いてみようと思います。最後にはお知らせもありますので、ぜひ読んでみて下さい。

PERK  SHOPをオープンした2021年8月は、新型コロナウイルス感染拡大によって国内の1日の新規感染者数は2万人の大台に乗り”第5波”の最中だった。

オープン予定日を少しずらしたりできる限り調整はしながらも、状況は悪くなる一方でお店を開店するタイミングとしては最悪だったが、8月24日に正式なオープン日を決め準備を進めた。
これから自分たちのお店がはじまるドキドキやワクワクと、このタイミングで人を集めるのは密を作ってしまうようで少し心苦しい気持ちもあり・・・様々な感情が入り交じるなか、オープン初日夫婦で一緒に扉を開けた。

自分たちが思い描いた”お店をオープンする初日”とは全く違う扉を開けた瞬間の静けさと、本当に誰か来てくれるのか不安になった気持ちもなんだかずっと忘れられないし、その後に続々と「おめでとう!」と来てくれたみんなのことや巨大でカラフルなお祝いのお花が並んだ光景も本当に嬉しくてずっと心に焼き付いている。


植物店とコーヒースタンド、建築設計事務所。
夫と出会った時に「いつか設計事務所を路面に作り、店舗を併設してまちに開いた場所を作りたい」という夢を聞いてから、空間と一緒に提案できるような観葉植物とコーヒーのお店を作ろうと二人で決めて数年の時間をかけて準備を進めてきた。

“空間を少し意識する場が近くにあれば、少しでも生活空間に良い影響が与えられるのではないか”という夫の思いが込められた設計は、建築事務所と店舗が一体となり、そして街と繋がる大開口の扉や公園の風景まで視線が抜ける窓によって、居心地が良く開放感のある作りとなった。

私は運営するにあたり、昔自分が花屋などに行く時は今よりわからないことだらけで、店員さんに色々聞きたかった体験もPERK SHOPに反映していて「何かわからないことがあれば聞いてください」となるべく必ず一声かけるように心がけた。そうすると皆んなも「わからないことだらけです」と笑って話してくれたりする。
コーヒーを飲みながら、肩の力を抜いてちょっと気になることを聞いてみたりできる、植物や建築の話など共通の話題でお客さん同士もコミュニケーションを取れる、そんな日常と繋がった場所でありたいという気持ちはオープンから今もずっと変わっていない。

2021年の夏がコロナ禍になるとは全く予想していなかったので、飲食業界も大きなダメージを受けているなか自分たちのお店がどうなるか不安な面も多かったけれど、あの頃は”おうち時間”を充実させよういう流れが追い風となって、観葉植物は予想以上にたくさんの方に喜んでもらえた。そして対面でのコミュニケーションも減っていた時に思い描いていた場所が作れたことが本当に良かったと思う。

ただオープン前の宣伝は、お店の扉に紙一枚とほぼinstagramのみで(インスタを見返したら初日は雨も降っていたよう)家族や知人以外がどれだけ来てくれるのか、正直難しいだろうと思っていたけれど自分たちの知らないところでご近所の方を中心に口コミで広まっていた。

ご近所さん達に何で知ってくれたのかを聞くと、インスタだけでなく「近所のお店のオーナーさんから聞きました!」という言葉が返ってきた。墨田区周辺には人との関わりを大切にする魅力的な個人店や人がいることも、この街でやりたいと思った理由のひとつでもある。
地域の方々がPERK SHOPとあわせて周辺のお店との回遊を楽しんでくれているのを見ると、自分たちのお店だけでなく街として一緒に盛り上がれたように感じてとても嬉しかった。

 
 
 
 
 
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そうしてお店がオープンしてしばらく、ありがたいことに忙しい日々が続いた。
snsで”ニューオープンのカフェ”と注目してもらえたことも想定外で、旅行に行けず近場のカフェに行く人も増え、世間のカフェブームもコロナ禍のなかで日に日に盛り上がっていたように感じた。

何万人とフォロワーのいるインスタグラマーの方が来るとお店のインスタの通知が止まらなくなり、翌日にその人のファンが押し寄せ同じ注文、同じ席と角度で写真を撮るお客さんがいたことにも驚いた。
初めての”お店をオープンする”体験は、色々なことに圧倒されるばかりだった。

基本的に1人でお店に立っているので目の前のことでとにかく精一杯だったが、なんにせよ反響があることは本当に嬉しかった。1人といってもオーナーである夫も、建築の設計をしながら普段から植物の仕入れは2人で行っていたり、混雑すると後ろのオフィスから出て一緒にお店を見てくれていたので夫婦で協力しながらなんとか無事に最初の夏は過ぎていった。

夏のオープンの盛り上がりから少し落ち着きはじめ、初めて迎える冬は売上も気持ちもガクンと落ち込んだ。

最初のオープン需要の慌ただしさでお客さんは自然と来てくれる気になっていたけれど、真冬に駅から10分の住宅街の場所に人を呼び込むことは思っていた以上に難しかった。それは今でも変わらず課題となっている。
ただ最初の冬はどうしていいかもわからず、まだコロナ禍の影響もあり静かにすぎる日々を耐えることしかできなかった。

2階まである広い場所でぽつんと店番していることを寂しく孤独に感じる日々のなかで、空間をどうにか上手く使えないかと元々やりたいと考えていた展示イベントを具体的に計画しはじめた。
その後に海外のアーティストの展示も開催することができたのだが、英語も話せない私が海外の作家さんとやり取りするようになるほど掻き立てられる焦りと意欲、そして何よりあの頃は時間があった。

ひとりでパソコンや携帯を見る時間ばかりが増え、気持ちがふさぎこんでは「毎日お店を開けて続けることるが大事だよ」と夫にも励ましてもらいながら。
振り返るとあの時も大切な時間で、ただ落ち込むだけではなくできることをできる限りやっていて本当に良かったと思う。

そして冬に来客数は減ったとしても、通ってくれていた常連さんに支えてもらっていたのがわかる馴染みのお客さんが撮ってくれた写真。
静かな店内で過ごした初めての冬だった。


後編へ続きます。

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